ニューヨーク決戦の渦中、2012年の時代へとやってきたブルース・バナー――彼の目的は、タイムストーンの回収。
だが、ドクター・ストレンジはまだこの時代にはおらず、彼の代わりに聖域を守っていたのは、“エンシェント・ワン”。
理性的に対話を試みるハルクに対し、エンシェント・ワンは冷静に拒否する。
「石を取り除けば、我々の時間軸は崩壊する」と。
ストーンが時の流れに与える影響、その重大さを説きながら、彼女は一歩も譲らなかった。
しかし――ブルースの口から出た、たったひとつの情報が状況を一変させる。
「ドクター・ストレンジが、自分の意思でストーンを渡したらしい」
その瞬間、彼女の目に驚愕が走る。
未来を見通す者として、ストレンジの選択には深い意味があることを知っていたからこそ――
彼女はゆっくりと歩み寄り、静かにタイムストーンをハルクに託す。
時を超えた信頼。
それは、ヒーローたちが未来を変えるための、小さな奇跡のひとつだった。
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