アイアンマンに、キャプテン・アメリカ、そしてスパイダーマン。漫画大国の日本においても、マーベルが提供するアメコミは大きく知られていますよね。実際、2021年に公開されたスパイダーマンシリーズ『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は興行収入40億円突破という記録を達成しています。
そんなマーベルですが、一見まったく異なる業界である「暗号資産(仮想通貨)」と、近年密かに交わりはじめています。ビットコインやイーサリアムのような主要通貨だけでなく、2025年初めに多数の“億り人”を創出したトランプコインのようなミームコインの盛り上がりなども含め、暗号資産はもはや一部の投資家だけのものではなくなりつつある現状。
いまや人々は仮想通貨 ミームコイン 一覧を調べながら、単なるネタで終わらない、手軽にマイニングへ参加できるものや、ビットコインのレイヤー2実装といった実用性を兼ね備えた新たな銘柄の発掘に挑んでいるのです。
こうしたデジタルの潮流の中で、マーベルもファンとの関わり方をこれまで以上に進化させつつあるのです。
本記事では、マーベルと暗号資産がどのように結びつき、どのようにして新しいファン体験を生み出しているのかを解説します。
デジタル時代の所有する楽しみ
マーベルが長年にわたって提供してきた楽しみは、スーパーヒーローの活躍を「コミックで読み」「映画で観る」ことにありました。
そして現在、マーベルは暗号資産というデジタル技術と交わることで、コレクションを“所有する”という興奮を新たに提供し始めています。
これを象徴する出来事が、マーベル初となる公式NFTのリリースです。NFTとはブロックチェーン上で「本物であること」「誰のものか」を証明できる仕組みのことを指します。つまり、デジタルデータであっても自分だけの唯一無二の資産として所有できるのが特徴です。
このNFTの仕組みを活用して、マーベルは2021年8月7日にデジタルコレクションのプラットフォーム「VeVe」と提携し、NFTとして『スパイダーマン』のデジタルフィギュアコレクションの販売を開始。ポーズやデザインの異なる5種類が限定数で販売され、ファンはアプリ上で購入したり、他のユーザーと取引したりできるようになりました。
この瞬間、これまでファンがコレクションするのは紙のコミックや立体フィギュアが中心でしたが、NFTによって「デジタル空間で所有する」という新しい楽しみ方が生まれたのです。
実は同じ2021年、日本でも似た動きが見られました。『週刊少年ジャンプ』などを発行する集英社が、『ONE PIECE』や『ベルサイユのばら』といった人気作品にブロックチェーン技術を紐づけたデジタルアート作品を販売したのです。こうした動きは、アメリカのマーベルをはじめ、世界中のエンターテインメント企業が、デジタルの世界で“所有する”という新しい体験を創り出しつつあることを示しているといえるでしょう。
マーベル・スタジオ創業者によるNFTオークション
マーベルの映画スタジオ「マーベル・スタジオの創業者」であるデヴィッド・マゼル氏の活動も、NFTとのつながりをさらに印象付けました。2023年5月2日に、『アイアンマン』公開15周年を記念してNFTオークションを開催したのです。
このオークションでは、映画『アイアンマン』の企画段階で使用されたコンセプトアートや設定資料をもとに制作されたデジタルアートが出品されました。マーベル映画の礎を築いた人物が、NFTという新しい形でファンと再びつながるというこのアクションは、マーベルがデジタル時代において進化し続けるブランドであることをまさしく証明しています。
ブロックチェーンが広げるファンの世界
暗号資産やブロックチェーンの仕組みは、マーベルのように世界中にファンを持つブランドにとって大きな可能性を秘めています。
たとえば、NFTの購入にはビットコインやイーサリアムといった暗号資産を使うことができるため、国や通貨の違いに関係なく取引が可能です。したがって、日本のファンも、アメリカやヨーロッパのファンも、同じプラットフォーム上でコレクションを楽しむことができます。
これまで物理的な距離があったファン同士が、同じデジタル空間でつながるという新しいコミュニティが生まれつつあるのです。
さらに、ブロックチェーンを活用すれば、ファンがただグッズを買うだけでなく、ブランドの活動に関わることも可能になります。トークンを使ってイベントの企画に参加したり、将来的にはDAOの仕組みを取り入れて、ファン自身が意思決定に関わることも考えられます。
つまり、これまで受け身だったファン体験が、作品を一緒に作る体験へと変わり始めているということです。
まとめ
『スパイダーマン』のNFT販売や『アイアンマン』を記念したNFTオークションなど、マーベルは暗号資産の世界と関わることで、ファンとの向き合い方を少しずつ、しかし確実に進化させています。
コミックやスクリーンで活躍してきたヒーローたちは、いまやデジタルの世界でも新たな存在感を放ち始めています。デジタル時代におけるヒーローの活躍も、ファンとしてますます楽しみですね。



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